視察日:2015年9月7日
視察先:Montessori Lyceum Amsterdam視察(モンテッソーリ教育の中学・高校4年~6年コース)
アムステルダムにある学校へ、視察に行きました。
モンテッソーリ教育の基本的な考え方とは・・・
モンテッソーリ教育は子どもを観察することによって見出された事実に基づく科学的な教育法です。その基本的な考え方は「子どもには生来、自立・発達していこうとする力(自己教育力)があり、その力が発揮されるためには発達に見合った環境(物的環境・人的環境)」が必要である」というものです。大人がすべきことは、何かを直接子どもに教え込むことではありません。子どもの発達がどのような形ですすんでいくかを知り、子どもを観察し、環境を整えることです。
20代はじめに、意志であり教育家のマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。
日本でもとても人気がある教育法ですね。
まさか中学生や高校生でも実施されているなんて!
学校の様子
※学内の写真は、ほぼとれなかったので、ほぼ文字のみの紹介となりますm(__)m
■授業のスタイル
1日一時間、自分でやりたいことを取れる時間があります。
6週間で1サイクルのスケジュールになっていて、自分でスケジュールを立てながら取り組みます。
課題は決められてますが、何をどの順番でやるかは、自分で決めることができます。
※課題の採点は、生徒自らが行うそうです。
全校生徒1800名
1クラス28名です。
廊下にも、学習できるようにスペースが創られていました。
少しだけ授業風景
一斉授業と自学習の時間と、両方があるとのことでした。
■先生の存在と仕事
先生は、中学・高校と、どちらの授業にも行きます。
教科ごとに先生が違います。
(日本と同じですね!)
クラスは担任制で、担任の先生は宿題計画などサポートします。
生徒が、自分で計画した学びを進めていくためのメンターのような存在だそうです。
1-3年までは、持ち上がり制で、
先生とのホームルームは、一週間に一回、一時間くらいあります。
先生は180人(現在)
※パートも含む(3-4回/週に)
毎年10-20人くらい新しい先生が入ります。
新入の先生には、必ずコーチがつきます。
あとは、同じ教科の先生に指導も受けます。
コーチは、養成を受けた教員養成大学校内の先生が多いそうです。
■先生のサポートシステム
(新しく先生になった人)
・年に8回グループシェア
・個人のコーチング
国から助成金が出ています。
1、2年で やめる先生も多いので対策で行われていて、
先生の評価に、コーチは関わらないと決められています。
先生の評価は校長が行います。
(すでに先生の人)
2年に一度、ずっといる先生のコーチは外部のコーチが担当します。
その場合の予算は、学校が出します。
(それ以外の場合)
学校管理局のコーチという存在もいます。
評価のタイミングで、「コーチを受けてはどうか」提案する場合があります。
・授業や指導で悩んでいる場合
・指導が必要な場合
等の理由の場合が多いそうです。
コーチになるには、
アムステルダムの教員養成大学でプログラムがあり、そのプログラム修了する必要があります。
ほとんどの学校で、同じシステムになっています。
この5年くらいで増えてきているようでした。
■子どものサポート
6週間という時間を自分で計画し、学習を進めていくことに対して、
自由をうまく使えない子ども達はいます。
その場合は、先生が声をかけ、サポートしています。
視察の感想
私が、コーチングに出会い、教育という分野に踏み込んですぐに出会った教育法は、
モンテッソーリ教育でした。
はじめて視察に行った教育機関は、日本のモンテッソーリ教育の幼稚園。(2005年くらい)
どちらかというと、幼児教育というイメージが強かったのですが、中高生も同様に実践されていることにびっくり!!
学内あちこちで、自分の課題に取り組でいる学生がいました。
6週間の計画・・私は計画して、実施し、きちんと課題を終えられるだろうか。
初等教育では、1週間の計画を自分でたてて、課題を提出するということを見せていただいていたので、
中等教育以降になると、こうなるのか!!と繋がりが見えた気がします。
自分で決められること
自分では決められないこと
この2つのバランスがきちんとあった上で、
自分で決められること(自由)が、日本よりも多い環境なんだなぁと
特に中・高校に視察に来て、感じました!
素敵なご縁と、貴重なお時間、ありがとうございました!