【オランダ視察編】ダルトン教育の公立小学校(2019年6月18日)

視察日:2019年6月18日
視察校:De Puntenburg (公立)
教育手法:ダルトン教育

素敵な学校に、またご縁いただき、視察させていただきました!

ユトレヒト駅のすぐ近くにある学校でした。

校長先生が、学校を紹介してくださいました!
ありがとうございます。

ダルトンスクール

町の中心にある学校のため、
学校の周りには家がなくビルや工場に囲まれているような環境です。
どうやって子供を集めるかが、課題だとそう。

20年前からダルトンスクールになりました。

大切にしていることは、
「子どもが恐れのない学校」

それは、
「自由がある=やりたいことを選べる」ということです。

ダルトンには3つの柱があります。

①責任
②協力
③主体的・自立

最近、あと2つ加わりました。

④合理性
⑤省察

これらの柱を大切にしています。

学校は、ルールももちろんあります。

「学力+個人の成長」
子供たちは、学校の中で伸びていきます。

小学校から中学校へ進学時、
いろんなレベルの学校があるが、
子どもにあったレベルの学校をアドバイスしています。

※自分にあったレベルであることが最も重要です。
自分にあったレベルでないと、おそれのない学校、学びにはならないから。

親は、子どもにはもっとレベルの高い学校へいってほしいと思っているため、親への説明が大切になる。

■子どものレベル(学力)

1年に2回、試験にてチェックしています。
全国統一テスト(CITO)は、義務ではない。実施していない学校もあるとのことでした。

■授業改革

今まで
①Lesson→②test
の順番で実施していたが・・・

①Test→②Plan→③Lesson→④Test
に変えました。

①test→自分の現在地を知る
②Plan→何が必要かを確認する
③Lesson→授業に参加する(先生に教えてもらう)か、自学習するかを自分で選ぶ。
④Test→理解できたかを確認する

自由をたくさん与えることで、
「自分で考えて、自分で選んで、作業できる」能力
自分で選ぶ、選んだことに対する能力
を、育むサポートをしています。

1回目のテストと2回目のテストを比較して、一緒に振りかえります。
※オープンクエスチョン

小さな時から訓練してるから、子どもたちはできます。
何事もtrainingです!!!!

学力は大事です。
そして学力を通じて、ダルトンの柱を自覚して使えるかどうかが大切です。

1・2・3・4年生 遊びながら姿勢をまなびます。
5・6・7・8年生 自然にできるようになる+自分で学力を確かめます。

体育、音楽は専門の先生がきます。

ユトレヒトの美術館にもいきます。
美術館で実際の絵を見ながら、学ぶ時間です。

学校の様子

僕たちがアテンドするよ!
子どもたちのアテンドで、学校の様子を見学しました。

「英語チーム」と「オランダ語チーム」に分かれての見学。
1チームは、英語で紹介してくれました^^

疑問、質問、全部答えてくれましたよ~

途中の体育館でひと遊び(笑)

アートの授業や

音楽の授業

低学年の教室も・・・

■視覚ツールはここでも・・・

オランダの学校の視覚ツールは、どこの学校に行ってもありますね。

自分で見て、判断できる環境。

■個別最適な学びの実践

・一人一台タブレット
・学習計画表
・テキストと教材

このセットも、どこに行っても、同じ感じです。
タブレットの教材は、一人ずつの学力にあわせてレベルが自動で変わるドリルが入っていると言っていました。
先生は、自分のパソコンで、学習の進捗や得意不得意の一元管理ができるので、よりコミュニケーションに時間がさけるそうです。
人ができること、機械ができること、それぞれの良さを使いこなす。

オランダの教育現場は、それが当たり前に実践され、進化していっている気がします。

■校長先生談

今までの教育のやり方を変えて、入学者が増えました。

会社にいってプレゼンをしました!!

「私たちの学校は、子供たちに恐れがない」

実際に学校にきてもらって、様子をみて判断してもらいます。

※私たちが視察するときにも、同様の言葉をいただきました。
「本当に、おそれのない学校だったかどうか、あとで聞かせてくださいね、と」

サークル対話は、やめました。

時間がもったいないためです。
子どもたちは、朝学校に来て、すぐに遊びたい!やりたいことをやりたい!と思っているので、
サークル対話の時間をやめて、その時間をとるようにしています。

■スペシャルニーズコーディネーターの存在

スペシャルニーズコーディネーターは、1年中、学校にいます。
専門的な資格をもっています。

子どもの成績を分析し、話し合いをしていきます。

サポートが必要な子には、いろんなタイプの子がいます。

・よくできる子
・行動に問題がある子
・できないことがある子

それぞれの子どもに合わせて、プランを作っていきます。

スペシャルニーズコーディネーターが、先生にアドバイスをすることもあります。
保護者と面談することもあります。

ベーシックなサポートについては、ユトレヒトの小学校全体で決められているものがあります。
その枠組みに収まらない子は、専門的なサポートを受けることができるます。

特に支援が必要な子には、アレンジメントが可能です。

<サポートイメージ>
普通の教育に●と▽と☆をプラスして受けれるようにしよう!
このように、子どもにあわせて、アレンジメントを行い、子どもの成長をサポートしています。

実施に関して、条件はあるそうです。
(例)学校の中で行う/別の部屋で行う、など

外部の専門家を呼ぶこともあり、
専門家が、学校の先生にアドバイスをすることもあります。

■不登校のサポート

・両親
・学校
・専門家
・地域のチーム(児童心理学者・カウンセラー・行動障害の専門家など)

全員が連携して、不登校のサポートを行います。

■CITOについて

教材に関係なく、作られている統一テストです。

CITOが終わった後、学校全体の評価・分析を行ういます。
(学校の偏差値を出す)
その後→グループの評価、分析を実施
その後→子供個人の評価、分析を実施

政府が中核目標設定します。
(12歳までにマスターしなければいけないもの)

その目標達成までの道のりは、学校それぞれが決めることができます。

目標が達成できないと、政府から学校に質問が来るそうです。

視察の感想

学校の視察を子どもたちがしてくれました。
「英語でアテンドするチーム」と「オランダ語でアテンドするチーム」の2つで、
紹介も、子どもたちが考えてくれたそうです。

子どもにアテンドしてもう学校紹介は、子ども目線なのでとても面白いです。
途中、体育館でひと遊びする姿は、とてもかわいらしかった^^

先生方と対話する時間があり、
校長先生だけではなく、いろんな先生方と情報交換や対話の時間が持てました。

先生方の目標管理や、評価についてなど、
バックグラウンドも見せていただきました!
こちらも、ホワイトボードが!!!

1日、本当にたくさんのことを教えていただき、
たくさんの質問を通じて、深い対話の機会をいただきました。

さらによくするために、何ができるか。
そうやって、どんどん挑戦されている先生方の実践に、たくさんの刺激をいただきました。
オランダと違うところはたくさんある日本。
でも、やってみないと、何もはじまらないんですよね。

自由があるということは、大人にとっても子ども関係なく、
成長や物事をよくしていくことにすごく大切な要素だと
オランダに来るたびに感じています。

素敵なご縁と、貴重なお時間、ありがとうございました!