視察日:2019年6月19日
Jenaplanschool Zonnewereld(プロテスタント教私立の小学校)へ視察に行きました。
イエナプランといえば、
日本で紹介されているオランダ教育といえば「イエナプラン教育」というほど、
日本で人気のある教育手法です。
学校も視察が多いと話しておられました。
受け入れてくださって、ありがとうございます。
朝の様子
学校の中は、保護者が溢れかえっていました。
低学年は、
保護者の人が子どもたちをクラスまで送ってくるので、
学校の中は保護者がいっぱい。
学校の入口まで送ってくる保護者も多いので、
学校の中だけではなく、外も保護者で溢れていました。
この学校は、コミュニティースクールとして、
2つの学校(公立の学校・私立のイエナプランの学校)が、
隣り合わせであるそうです。
今回視察したのは、私立の学校。
校長先生がアテンドしてくださいました!
ありがとうございます。
よろしくお願いいします!
学校の様子
学校の中は、4つのグループに分かれて活動しているそうです。
(職員は5つのグループにわかれている。)
1・2 group
3・4 group
5・6 group
7・8 group
2つの学年がグループになっています。
私達が学校紹介を聞いていたら、一人の子が訪ねてきてくれました!
学校に日本人の子がいて、会いにきてくれたんです。
嬉しい!ありがとう!!
実際のファイルを見ながら、
私たちに学習のやり方や学校の様子を教えてくれました!
自分のレベルで学習を進めることができ。自分でプランを決めるそうです。
タブレットは、一人1台配布されていました。
彼に説明を受けた後は、学校内を見学。
テスト中だそうです。
テストの方法は、
・先生と対話式でテスト(マンツーマン)
・教材についているテスト
・タブレットに入っている教材のテスト
があり、目的によって使い分けられているとのことでした。
朝の読書の時間は、二人ペアで実施しているそうで。
二人で読んでいるのには理由があって、
本を読める子が読めない子と一緒に読むことで、お互いの学びを促すためだそうです。
■group1・2の様子
2つのグループが一緒のクラスになっていました。
朝の時間を見学しましたが、7年生の子が教室でサポートしていました。
一緒にお絵かきしたり
7年生は、一週間同じ子が来るようです。
次の週は、違う7年生の子が来て、サポートを行うそう。
一緒に活動したり、学習することもありますが、
4歳と5歳をわけてレッスンすることがあるようです。
4歳は、サークル対話→体育プログラム
5歳は、グループ活動→テーマ学習
こちらにもありました、ホワイトボード。
一週間のスケジュール、特別な先生が来る日、今日の予定などが、一目でわかるボードになっています。
このシステムは、オランダのどの学校にもありますね!
■テーマ学習
テーマ学習の時間を見学しました。
「空港」をテーマ設定して、先生が考えたそうです。
どうやってテーマを決めるのか?と質問したら、
ちょうど休みの時期が近いので、イメージが広がりやすいのでは?と先生が思い、
このテーマを設定したとおっしゃっていました。
空港にまつわるあらゆるものを創って
それぞれコーナーになっていました。
こちらは手荷物のチェックカウンターですね。
こちらはパスポートカウンター
模写を体験するコーナー
こちらはセキュリティーチェックコーナー
それぞれのコーナーでの体験を通じて、学んでいく時間になっていました。
■他の学年のクラスの様子
これはCito(シト)と呼ばれる文部省認定全国共通テストで、
日本の大学センター試験とほぼ同じコンセプトで実施されるもの
自分で学習計画をたてて、学習を進めていました。
やらなければならないことは決まっているけれど、
それをどの順番でやっていくかは、自分で選べる。
教室の中で、同じ「国語」の授業なのに、
子どもたちそれぞれに、取り組んでいる課題が違いました。
同じクラスの同じ授業中。
こういうのが、オランダらしいと思う。読書中です^^
■体育の時間の様子
体育の授業は、専門の先生が来ます。
(担任の先生とは別の先生)
3つのアクティビティーが用意されています。
(流れ)
先生がデモンストレーションを行う
↓
子どもを3つのグループにわける(先生が決める)
↓
それぞれのグループに分かれて、子どもたちが活動する
↓
時間が来たら、ストップ!
↓
少し省察タイム(先生がファシリテートする)
↓
グループを1つずつずらして、次のアクティビティへ。
↓
それぞれのグループで活動する
↓
最後に省察タイムという流れが授業が実施されていました。
■カンヤトレーニング
こちらの学校にもありました。
4つの帽子を使って人の行動を分類し、
その特徴を体験を通じてトレーニング。
赤(さる):人を笑わせる、喜んでいるのは自分や自分の友達だけ
黒(わし):ボス、自分にとっていいことをやるボス
黄(うさぎ):こわがり、かくれる、みじめ、被害者意識
白(とら):かっこよくて強い、信頼できる、協力できる
・民主主義のリーダーを求めている
・みんなのための笑い、ユーモア
・自分を大切にすること、そしてほかの人を思うこと
「信頼」を中心に話をしているそうです。
group1-4 本やぬいぐるみを使う
group5-8 ワークブックを使う(ゲームを使って、お互いを信頼することを学ぶ)
ちょうどカンヤトレーニングの授業をしていました↓
ぬいぐるみと教材を使っての時間・・・
とても貴重な時間を見ることができました。
先生チームも1年に1度、カンヤトレーニングを受けています。
生徒たちにアンケートをとって、カンヤトレーニングの価値観が生きているかどうか定期的に確認しているそうです。
■休憩時間のこぼれ話
物の取り合いをしていた子たちがいました。
取り合い自体は終わったけれど、一人の子が怒りを爆発。
先生がカー!!となった子のそば行き、一言。
先生「クールダウンしてきなさい」
言われた子は、起こりながら一人で壁へ・・・
言われた子は、壁にもたれて、一人でクールダウン・・・
その後、落ち着いたところで、
先生が「何があったの?」と聞いていました。
うわー!!と唸った瞬間でした。
コミュニティースクールとしての機能
コミュニティースクールということで、学校の他に、市の施設が隣接、併設されていました。
視察させていただいた私立の学校と、隣接してる公立の学校の他に・・・
・体育館
・コミュニティールーム
・ホール
・デイケア(保育園)
・学童保育
・知的障がいの学校
などがありました。
カフェがあったり・・・
シアターがあったり・・・
視察した体育の授業も、併設されている市の体育館で行われていました。
2つの学校だけではなく、市民の人も一緒に使っているそうです。
知的・身体障がいの学校
知的障がいの学校が1階に入っていたので、視察させていただきました。
2002年に、ユトレヒト市が作った学校で、知的・身体障がいの子どもたちが通学しています。
(知的→0−2際のレベルの知能)
子どもたちは、学校のバスで通園しています。
9:00-15:00が授業時間です。
SO:てんかん・車いす・感情のコントロールができない
SVO:知能2歳半以上になると、次の特別支援にいきます
レッスンルームは、普通の部屋のほかに特別な部屋もあります。
(例)水に自由に触れられる部屋
静かに、落ち着いて、感覚を刺激する等を行うことができる場所
市の予算で行っているが、足りない部分は、スポンサーで補っているそうです。
学校には、常時7-8人のセラピストと40-50人サポートの人がいます。
※パートの人を入れて
現在は、40名の子どもたちが通っています。
1グループ 4名~8名くらいで活動しています。
4名程度で活動することが多いが、8名全員で何かをするようなアクティビティの時には、8名で集まるそう。
1人でするプログラムの時は、1対1で行うそうです。
保育園
0-4歳の子どもたちが通っている。
仕事がある人は、保育料を自分で支払って利用しています。
学童
16:00-18:00
18:30には閉まる
学童は、4つの会社が入っている(それぞれの部屋がある)
3つ→親が選べる学童
1つ→障がいの子どもたち対象の学童
になっている。
先生との対話にて
group3までは、親が迎えにいきます。
親を確認して子どもを渡す流れになるそうです。
オランダはヨーロッパの中で1番専業主婦が多いとの話でした。
学校の先生は、他のキャリアの方と比べると、社会的な地位は低いようで、給料が安いそうです。
■先生はどうやって集まってくるのか
イエナプランの先生になりたい!と学校を選び、研修を受けながら学んでいる先生が多いそうです。
チーム全体でイエナプランの研修を受けており、研修時間は、勤務時間に含まれているそう。
ただ研修の宿題は、家でやらないといけないですって!!!
・学校の目標→半年の1度リフレクションします。
・個人の成長プランもある→先生それぞれが、自分のテーマを決めて課題に取り組んでいる。
イエナプランの導入については、最初からうまくいくと思わないほうがいいし、10年かかるかもしれない、、、。
「子どもを中心に考える」から「教育を考えるへ思考」を広げていっています。
「子どもの関心を呼ぶ(内側にある)」
そこから
やるべきこと、達成目標を作っていくように心がけているそうです。
■様々な課題活動がある
年に2・3回、障がいスクールにがスクールに行って、読み聞かせをする機会があるそうで、
認知症の人を対象に、年に6回計画されているとのことでした。
クラスが希望したら、group1からいくことができて、クラスが希望しなかったら、無し。
group1・2が参加する場合は、保護者もついていきます。
どんなプログラムにするかは、先生・生徒・施設の人のみんなで考えます。
■保護者と学校の関係
親は、何かの形で学校に協力してもらっています。
頻度は、年に何回かだそうです。
その際は、親のタレント(才能)をきいて、
タレント性を活かして協力してもらっています。
「先生に対して、何かをいってくる親に対しては、どうしていますか?」と質問したら、
子どものために協力したい、親が学校と同じミッションの場合は、一緒に考えるが、
そうじゃない場合は、取り合わないとのことでした。
■先生談
先生に、イエナプランはどうですか?とお聞きしたら、
「イエナプラン大好き!
子どもたちに、たくさんの自由があるし、自分で選ぶことができる」
まずは先生がアイディアを考えて、子どもへシェアをして、
そこから一緒に考えて形にしていく。
この体験が本当に素晴らしいんだ!!」
そう話してくださいました!
視察の感想
コミュニティスクールということで、
視察予定だった学校の他にも、たくさんの施設があり、
私たちの背景をお伝えしたら、すべての施設をご紹介くださいました。
コミュニティースクールの規模の大きいこと。
本当に、本当に、たくさん歩きました!!!
イエナプランの学校では、先生が本当に印象的で。
「イエナプランが大好き!」ということは、本当に伝わってきて、
どんなテーマがいいのか、子どもたちとどう一緒に創っていくのか。
たくさん探究して、実践されているんだなぁと感じることができました。
カンヤトレーニングに、イエナプランのトレーニング。
先生方も学びの中に、い続けるということは、すごく大変だけれど大切なことだなと、
先生方と対話しながら感じました。
大人の自分たちが学ぶ必要がある。
本当にその通りですね。
素敵なご縁と、貴重なお時間、ありがとうございました!