がんばらせる日本とがんばらせないオランダ

一生懸命
全力出して
頑張る!

もっとできる!
あなたならできる!

時代変われど、今も変わらずこの価値観はどこにでも流れているように感じます。
もちろん、学校現場でも。

そして、頑張って努力して、できなくて打ちひしがれて、食いしばって努力して、
乗り越えて成長する!という情景(ドラマ・脚本)が、
日本人に好まれているように感じるのは、私だけでしょうか。

多少は、「がんばらなくていいよ」という言葉を聞きますが、文化にはなっていないように思います。
上記の情景、様子への好感が潜在的にあるからかな?

そして、
「身の丈にあった」という言葉のイメージは、あまりいいイメージとして使われていない(受け取られない)ように感じます。

現状維持、そこに成長はないでしょ?
自分にあうことさせて、そこに成長はあるの?
やりたいことをやらせるって、わがままなんじゃないの?

実際に、このような言葉が返ってきたこともあります。

日本の「成長」というものに存在する、特有の価値観があるのだなと感じています。

オランダの教育現場に視察に行って、一番の違いは「がんばらせないこと」でした。

自分のペースを尊重し
自分のやりたいことを選び
リラックスして
楽しんでやる
もちろん集中もしてね。

自分が頑張りたいと思ったことがあれば、自分が頑張ればよい

その価値観がつくりだすものの大きさを、肌で感じたのはオランダの学校。

オランダの先生は、子どもたちに対して「子どもの身の丈にあっている」ところから、必ずスタートさせていました。

進路選択もそう。
本人にあわないレベルの進路は選ばせないし、進ませない。

オランダの先生に、
頑張ってもう少し上を目指したい!と子どもが言ってきたとしても進路は、身の丈にあったコースを勧めるのですか?と聞いたら、
「子どもが今の自分にあっていないものに進んで、それは、子どもの幸せにつながりますか?」と返ってきました。

オランダは、常に、今の子どもの現在地を大切にしていました。

問題を解いているが、わかっていない。
何が分からないかを一緒に考えて、必ず「わかる問題」まで戻ります。

わかる問題を「わかる」を確認して、
そこから「次にわかる問題」へ進みます。

なので、スタートラインは、子どもそれぞれに違っているんですよね。
自分の今が、常にスタートライン。
そこから、様々なできる方法で、できた!を積み重ねていく。

現在地は、いつも、ここ。
先生が大切にしているのは、等身大の子どもたち。

無理して背伸びさせず、
きちんと地に足ついて
1歩1歩進んでいく。

自分のペースで、
自分の歩みを確認しながら進んでいくということ。

それが、オランダに当たり前にあった
「身の丈にあった」学びと歩みでした。

自分のペース
自分のレベル
自分のサイズ

それこそを大切にしていい。

そんな「がんばらされない」「無理をさせられない」「急がされない」
そんな環境なので、オランダの子どもたちはとてもリラックスして、落ち着いています。
活発な様子はもちろんありますが、本当に「落ち着いている」んです。

ゴールを変えることはしない。
そこに行きつくまでの方法はたくさんあるのだから、
一人一人に合った方法と一人一人に合ったペースで進めばいい。

この積み重ねの先に、子どもたちは着実に目標をしていくのです。

オランダの教育現場を視察して、
オランダの学校の雰囲気を肌で感じて、
子どもたちの様子や、先生方の様子を見ながら、
これがいいなと思いました。

誰かに引き上げられなくても、自ら伸びていけるし
誰かにあおられなくても、自分のエネルギーで動くし
誰かに目標を決められなくても、自分で目標は決めれるし
誰かに与えられたやり方があうかもしれないけれど、あわないかもしれないし。

何より、自分の基準が、自分にある。

ってことを、当たり前にはぐくんでいく環境は、とても大切なものだと感じました。

頑張らせる、無理させる、急がされる

これらは、基準が、子どもにあるのではなく。

子どもの外側にあるものに、子どもを合わせるときに生じることなので。

頑張って
少し無理して
高い目標に向かって
背伸びして、手を伸ばして
それに引き上げられて伸ばす

この意識は、学校現場、そして家庭にもすごく根付いてしまっているように感じています。

そして、この価値観の中にいる子どもたちは、
自然に
「もっと頑張りたい」
「もっと良くしなきゃ」
「もっと早く」
「もっと上手に」

っていう思考になっていく。

上昇志向というものになるのかな。

私自身、この価値観の中で教育を受けてきたし、
ある時まではなんの疑問も持たなかったし。

しかも、この空気の中にいてしまうと、
自分がやりたいことと思ったことなのか、
やりたいと思わされたことなのか、判断がつかなくなってしまう。

ただ、幸せか?と問われたときに、どうなんだろう。

みなさんは、自分で問うてみてどうですか?

たまに、誰かに背中をおされたり、
やってみようよ!と誘われたり、
やらざるおえない状況になってみたり(笑)

そういう外側の刺激がくれる縁もありつつ、
私の基本のスタンスは、身の丈にあっている歩みを大切にする生き方を
選びなおしました。

そうやって選びなおしてみて感じることは、
長い距離を息切れせずに、周りの景色を楽しみながら進める感じに似てるな!って思っています。

すごく抽象的な感覚だけど^^