「プロジェッティスタに学ぶ控えめな創造力」@イタリア研修実施報告会に参加して

Think the Earthが主催するイベント、
「プロジェッティスタに学ぶ控えめな創造力」イタリア研修実施報告会に参加しました。

「プロジェッティスタに学ぶ控えめな創造力」イタリア研修は実施されていて、
私もお声がけいただいたんですが、タイミング合わず参加できませんでした。

どんな時間だったんだろう・・・と気になっていたところに、報告会の連絡が!!

オンラインでの参加も可能だったので、参加しました♪

ツアーの詳細は↓
https://www.thinktheearth.net/sdgs/humble-creative-program/

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「プロジェッティスタに学ぶ控えめな創造力」
イタリア研修実施報告会のプログラム予定

報告会プログラム(予定)
●イタリア研修プログラムの企画趣旨について
●控えめな創造力とは?
●訪問先での出会いと学び
●参加者からのキーワードトーク
●教育にとっての控えめな創造力とは?
●質疑応答
●今後の予定について

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報告会の内容レポート

サステナビリティがアイディア出しが上手くなる取り組みに見えて、違和感を感じていた中、
イタリアのプロジェッティスタの話をきき、
先生たちを連れてイタリアにいったらいいのでは?とのことで、イタリアへ行くことになったそうです

イタリアのツアーをアテンドされたのは、多木陽介さん。
多木さんは、2015年から大阪で移動教室

第二次世界大戦後イタリアで花開いたデザイン。
基礎を作ったデザイナーの3人の巨匠

ブルーノ・ムナーリ
アキッレ・カスティリオーニ
エンツォ・マーリ

社会性を大事に
強い倫理観を持って
企業の利益よりも人々の暮らしの変化
非資本主義的な価値観と思想をもって仕事をしていたそうです。

ものすごく慎重で、ものすごく優しい、繊細。
自然界の中で何かが生まれてくるかのような、そのような作り方。

デザインとデザイナーをあらわす言葉、↓
プロジェッタツィオーネ、プロジェッティスタ
(これが今日のキーワードでもあります)

エコロジーを考えるうえでも、
一番模範にできる価値観がここにあるのでは?

しかし資本主義が発展して、資本主義社会が発展してきたら、このような作り方は忘れさられてしまいました。
彼らの思想、価値観、想像力は忘れられてしまった。
70年代から今、彼らがやっていたことと全く違うことを今はデザインと呼んでいるのだそうです。

それが2020年代から、
デザインではなく他の分野に、そっくりの価値観を持った人たちが、生まれてきました。

その時期になって、環境問題や社会が危うくなってきた時代に入り、
時代が呼び戻したんじゃないかな?
そう感じたそうです。

そして、多木さんは現れてきた人たちをおいかけはじめ、
今回視察に伺った友人に出会うことになったそうです。

そんな多木さんの友人たちに会いに行った旅が、今回の視察ツアーだったんですね!

参加された方からのレポート

シルバーナさんの教育農場(2日間)

ムナーリ・メソッドによるワークショップを体験!ということで。
長年美術教室をされていた、シルバーナさんの教育農場へ♪

まずはカフェでもどうぞ~おもてなしと受け、
カフェタイムを楽しんだ後ワークショップ!

テーマは”線の研究”

線の観察を分類をしていく。
わくわくする?軽い?重い?

ホテルからここまでの間で、線を見つながら歩いたり。

その中で、
世界にはたくさんの線に溢れていることに気づいたそうです。

最後に絵具が登場!!

たった一本の線を描いただけなのに、わーっと歓声があがった!
今までの時間がまとまった気がした。
誰と比べることなく、自分の作品を完成させる時間になったそうです。

ラボラトリオ・ザンザーラ

知的障碍者、ソーシャルワーカー、協働でモノづくりをしている場所で、
創設者のジャンルカさんにお話を伺う時間。

ラボラトリオ・ザンザーラは、
ショップ、ラボ、作業部屋が同じ空間。
大きな作業台で、それぞれの利用者が作業をします。

ラボの最大の特徴は、
モノづくりの種は、障碍者に委ねられていることだそうです。

一人一人の利用者さんが、自分で種を見つけていく。
その種をプロダクトに落とし込んでいるか。(ソーシャルワーカーさんの役割)

障碍者の人が作ったから買ってあげようではなく、
物がかわいくていいから、買おうが大切!!それが生まれる場所でした。

カヴァリア・スタジオ/カヴァリアさんの事務所

カヴァリアさんは事務所建築家で物づくりの研究者。
大学で長年先生をされていて、事務所は18世紀の建物を改装したところでした。

ものづくりは何%自分で作ったものなんだろう・・・
=ものづくりにおける「人間の介入度」
ずっと研究しているんですって!!

カフェタイムを何度も設けながら、いろんな話をしてくださったそうです。

地区の家

イタリアへの移民、ホームレス
社会的に弱い人たちをケアする場所

ファビオさんに街案内をしてもらいました。
知り合いのお店にいく道中で、ファビオさんがいろんな人に声をかけました。
声をかけながら話をすることで、地区に住んでいるホームレスの人を全員把握しているそうです。

地区の家には、
・コーヒースタンド
・物資を届ける車の車庫
・コンテナの中→イタリア語教室、学童
毎日100キロくらいの着られない服が集まってくるので、届いた服の仕分けする場所もありました。

無料で服をあげようとしても、なかなか受け取ってもらえないし、尊厳を傷つけてしまうこともわかったので、
地区の家の隣に、古着屋さんを創り、販売することにしたそうです。

1ユーロから高くても数ユーロに設定し、
どれでも値段が安くても、自分で買うというができるようにデザインしました。
そのことが尊厳を守ることに繋がるし、生活を助けることもできるのです。

児童出版社 カルトゥージア社

絵本をいっぱい出している出版社で、
子どもたちにとって難しい内容、受け入れがたい内容を絵本にしているそうです。

絵本の作り方は、
フォーカスグループ(心理学者、作家、当事者の子どもたち)が集まって、お菓子を食べながら気軽にテーマについて話す場を設け、
そこから絵本がうまれてくるのだそう。

サイレントブック(文字の無い、でも、物語がある本)の作成も行っています。
母語が異なる子どもでも、文字を読めない子どもたちでも、読むことができるものです。

毎年、コンペ形式で作成し、
15人の大人と、2500人の子どもたちが審査員として参加します。

プロジェッティスタとは、「思いやりのある人」

旅が、一番何を伝えたいと思っているのか。

1,控えめな想像力 Humble creativity (tim Ingold)

想像力は、頭で考えて形作って、押しつけることとは全く違う想像力があるよ。って話をしてくれる。

それ自身が持つ、主体がある。
それが一番最良の形で、助けるサポートする仕事。

作るより、育てる。
変えるより、共に作る

素材が、自分で自分を表現したもの

種があったら、そこにある可能性を最良の形で育てていくか

誰か作り手が、自分の意志を押し付けた形ではなく。
作り手が一歩引いた形で

やさしい形で語りかける想像力、
世界に語りかける

そこ主体として、
そこにあるものが、一番いい形で表現し育っていく。

控え目さとは、まず、自分が話す前に、
相手のことを聞く姿勢だと感じた。

2,社会のために想像力を使う

現代社会に生きる子どもを思った本作り
そのためには高いクオリティが必要

3,プロセスを大事にする

クオリティはどうやって生まれるか
美しさは正しさの結果(ブルーノ・ムナーリ)

4,自分たちの生活は、自分たちで作る

自分で考えて作ること、それが他人に自分の生き様を設計されてしまわないための最良の方法なのだ

人に勝手に自分の人生をデザインされなくてすむ
周りの人だけではなく、社会の圧力を超えて作っていくか

5、当たり前の人間らしさ

優しさ、思いやり、倫理

参加した感想

まずは、デザインという分野の話自体がとても興味深かった。
デザインという分野、仕事、視点での話は、どれもとても新鮮でした。

全く違う分野のことだったはずなのに、
「控えめな創造」という点で、自分の分野と結びついてきたことに、また驚きがあり。

「控えめな創造」は、コーチングと場の創作において大切な要素。
この結びつきと触発が、とても刺激的でした。

それ自身が持つ、主体がある。
それが一番最良の形で、助けるサポートする仕事。

作るより、育てる。
変えるより、共に作る

このようなことが生まれる場を創るのが私の仕事であり、

自分の人生を自分でデザインする
自分の環境を自分でデザインする

・・・そうか、確かに同じデザインだ!!

印象の残ったお話は、パトリツィアさん
子どもたちにとって難しい内容、受け入れがたい内容を絵本にする中で、
センシティブな問題のことを“心が揺らぐこと”と表現されていて。

その言葉がとても心に残りました。

話を聞いていたら、やっぱり自分の目で見て体験したくなる!!!
自分がおってきた教育とはまた違った視点からの学びの機会に、
新しい世界が広がりました。

貴重な機会に感謝です。