視察日:2015年9月7日(月)
視察先:Oecumenische Basisschool Elout(美術重視のカトリック系の小学校)
学校の様子
美術系重視の学校!だからでしょうか。
校内のあらゆるところに、さりげないアートがたくさん!!!
階段のコーナーも絵が描かれていました^^
■グループ1・2の様子
ちょうど自由な活動時間でした。
自分がやりたいことを決めてから、活動スタート。
コーナーごとに定員があるので、全員自分のやりたいことができるわけではないそうです。
それでも、自分で決めて、遊ぶというのがオランダの学校では当たり前にあるそう。
条件によってできないこともある、というのも社会では当たり前にあること。
いろんな条件で、いろんな体験ができることが大切だと話してくださいました。
粘土遊び
ブロック遊び
※ラグマットでエリアが決められていて、その中で遊ぶルールだそうです。
水遊び
※廊下に設置されていました^^
お人形遊び
お絵描き
PCタイム
■片付けタイム
遊びの時間が終わったら、片付けの時間です。
どこに何を置けばいいのかは、全部わかるようになっています。
先生これどうしたらいいの?というような声は一切なく・・
子どもたちは、自分で見て、自分で判断して、片付ける。
主体性を育むデザインが、環境にちりばめられてる!!!
荷物をカゴへポイ!!!
なんとも、ざっくり・・・^^
このあたりは、日本と大違いですね!
■省察タイム
4歳から、省察タイムがありました。
遊びの時間を振り返ってみて、どうだったかを振り返ってしました。
「どうでしたか?」と直接的に質問するのでなく、
先生がボールや望遠鏡を使って、イメージで誘導しながら、
一人一人シェアしていました。
■グループ7の様子
グループ7(日本の5年生)は、算数の授業中でした。
テーマは、割り算!
最初は一斉授業。日本と同じように、先生のレクチャータイムです。
「121個の箱があって、10個まで運べる台車がある。たくさんの方法があるけれど、あなたはどうやって運ぶ?」
たくさんの方法があるけれど・・って言葉に、びっくり!
そう、考え方は、たくさんあるんです。
たくさん積んだら倒れたら怖いから、8個ずつくらい運ぼうかな・・・
早く終わらせたいから、10個ずつ運ぶ!
安全に運びたいから5個ずつ・・・
みんなでディスカッション!!!
みんなの考え方を共有した後、
「わかりましたか?」と先生。
・・・ん?何がわかったの?と頭に?が・・・(苦笑)
そして、なんとレクチャータイムは終わり、自習タイムに突入してしまいました。。。
え、何がわかったの?
え?式をたてるとかは?
え?結局答えは???
日本の教育を受けてきた私たちは、大混乱!!!
いかに、早く答えを導き出すかという視点で、算数の計算を取り組んできたんだってことに、
嫌というほど感じました。
先生の前のグループが、引き続きレクチャーを受けていました。
クラスは、習熟度別で3つのグループにわけられており、
教材もそれぞれ違うレベルのものを配布しているそうです。
よくできるチーム、標準の理解度チーム、理解がゆっくりのチームで、
わかったタイミングで、自習に入るそうです。
理解した子は、どんどん問題を解いたり、難しい問題に挑戦したり。
理解していない子は、先生が理解できるようにゆっくり教えていくんだそう。
■指示、命令、怒声のない教室
教室内のコミュニケーションが、信号で管理されていることもあるかもしれませんが、
先生が子どもたちに対して、あれこれ言葉で注意することがありませんでした!
本当に、びっくりです。
目に余るようなことがあれば、
「あれ?声が聞こえてくるけど、今、何の時間だった?」と
信号を確認するように促す声掛けをしたり。
私語が消たら、「今、とてもいい感じだね!おー、いいね!」と
いい状況や様子の時に、フィードバックをしっかりしたり。
教室内は、いい緊張感があり、でもリラックスしていて・・・
教室の中にあるコミュニケーションが、全然違っていて、本当にびっくりしました!
■教室に信号が・・・
教室内のコミュニケーションのルールは、信号で管理されていました!
赤:先生の指示で行動する。私語厳禁、相談禁止、着席する、立ち歩き禁止
黄色:隣の人とささやき声ならOK、調べるのOK
緑:行動、話すのは自由
私たちが行ったときは、青色でした!
■目で見て概念(イメージ)と言葉を理解するツール
教室には、学びのポスターがたくさん貼られていました。
どれも、これも、絵と文字。
そして、階段化(成長や進化する生き物)されていたり、グルーピングされていたり・・・
まるでプレゼン資料みたい!!!
高学年の教室は、ほんとプレゼン資料みたい!!
低学年の1日のスケジュールは、イラストの描いてあるカードでした。
クリップがついているところが「今ココ」のサイン。
一日全体の流れもイメージできるし、次は何の時間もひとめでわかるようになっていました!
視察の感想
私たちが視察である教室に入ったとき、
教室の信号は「赤」でした。
視察なので、クラスの説明を先生がしてくださった関係で、
教室の中で本来あるはずのない「声」と「動き」が出てしまったんです。
そのことを見た担任先生が、
「お客様が来られたわよ。今日は特別ね。」と、
すぐに信号を「青」に変更したのです。
それを見て、すごい!と思いました。
視察の私たちも、クラスにいる子どもたちも、
みんな空間に入れば、関係なく同じルールで過ごすこと。
お客様だろうと、どんな人だろうと関係ない。
それが伝わってきて、言動の一致の大切さを感じた体験でした。
小さなことかもしれないけれど、とても大きなことですよね。
特に教育の現場では・・・
森のようちえんをしていると話したら、特別に2歳半のクラスを視察できることになりました!
2歳半のクラスの視察レポはこちらへ!!
このクラス、本当にすごかった!!!!
“【オランダ視察編】美術重視の小学校(2015年9月7日AM)” への1件の返信
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