オランダの教育現場の話をすると、
オランダには、いじめも不登校もないのでは?と感じる方もいるのですが。
オランダにも、不登校も、いじめもありますし、
いじめの問題はとても深刻な問題として扱われています。
毎年「いじめ防止週間」という取り組みが行われていますし、
学校の中にも日常的に、対策プログラムが導入されています。
ピースフルプログラムやカンヤトレーニングは、まさにいじめ防止のトレーニングでした。
視察の際にも、安全な学校運営のためにどんな取り組みをしているかは、かなり学校側の強い姿勢をどの学校でも感じました。
それほど、深刻な問題であり、なかなか対応が難しい問題でもあるのだと思います。
オランダだけの話ではないですよね。
「オランダでもいじめの問題は深刻」
という記事が毎年のようにオランダのニュースにあがってきます。
少し前の記事ですが↓↓
○○という手法を導入したら、問題がなくなる!絶大な効果がある!
となってくれたらいいのだろうけれど、
人間のこととなると、そう簡単にはいかないのが現実なんだと思います。
撲滅!ゼロ!!
それは、誰もが願うことであり、目指していることには変わりない。
ただ、人間同士がかかわること、集団という特性、空間と人数のバランスなどなど、
いろんな視点から見たときに、条件がそろえば起きうることであるという観点はとても大切なのではないでしょうか。
(様々な分野で研究がなされていますよね)
いじめをする人がいるのではなく、
誰の中にも、そのような行為につながる性質を持っている。
それがオランダの考え方の土台になっていること、
その前提で人間理解や自己理解を実践していることは、
私には大きな衝撃でした。
人間を理解すること
自分を理解すること
集団を理解すること
その違いから生まれるエネルギーを
どのような方向に協力して開放していくのか。
オランダのプログラムでは、この視点からプログラムが作られ、
年令に応じてレッスンというなのトレーニングが実践されていました。
いかに行為や現象を止められるか
いかに自分が行為を止められるか
いかに気が付けるか
いかにいじめを減らしていくか、
いかに起きにくい土壌にしていくか
そして、適切な方法で対応することができるか。
オランダの取り組みは、実践と省察の中で、
またアップデートされていくんでしょうね。
日本にとっても深刻ないじめの問題。
起きている問題は同じだとしても、
オランダの取り組みと日本の取り組みの違いがあるから、
浮かび上がってくるものがあるんだなぁ・・・・