教科センター方式の泉南中学校(大阪)へ視察に行きました!

オランダの教育は素晴らしい!
そして、日本の教育も素晴らしいんです。

オランダの学校は、素晴らしい学校がたくさんありますが、
日本にも素晴らしい学校がたくさんあります。

今日は、ご縁いただいて、
大阪の泉南中学校へ視察に行きました。
泉南中学校のHPはこちら

泉南市立泉南中学校は、2019年の新校舎設立と共に、教科センター方式をとっている学校です。
教科センター方式を実践できるように、環境も準備されて、導入されたんですよね。

公立の中学校では、とても珍しいんです。
そして、実践することは簡単なことではないですよね。
実践されている先生方直接お話を伺うご縁をいただいて、
実際に学校を訪問させていただく流れとなりました。

ご縁いただけて光栄です。
ありがとうございます!

先生方の日々の挑戦と、奮闘を肌で体験させていただいた時間となりました!

<参考>

教科センター方式とは・・・

教科センター方式は、生徒が毎時間、各教科のエリア(教科センター)にある教科教室へ移動し、そこで授業を受けるという方式です。生徒が時間割を意識しながら自ら教室へ移動することで、授業参加の態度が能動的になり、授業者にとっては、授業の準備をして生徒を迎えることができるので授業の効率が良くなります。

引用:泉南市立泉南中学校ホームーページ(教科センター方式について)http://sennan-sennan.jp/publics/index/18/

 

視察の様子

校長先生に案内していただきました。校長先生ありがとうございます!

学校の中の空間が、開放的でびっくり!!!!

教科センター方式の特徴のひとつは「教科ごとに教室」があり、生徒たちは教科ごとに「移動する」ことです。

通常、生徒たちは先生が教室に「来る」のを待っていますね。

教科センター方式では、生徒が授業を受けに「行く」ので、それこそが主体的なデザインになっているんです。

では、生徒たちに自分たちのクラスはないのでしょうか?

■ホームベースの様子

生徒たちは、登校するとまずはこちらのホームベースに向かいます。

生徒たちは、こちらのロッカーに荷物を置いて、
必要なものを持って、授業が行われる教科の教室に向かうそうです。

給食は、こちらで食べれるようになっているそうです。

このホームベースが、自分たちのクラスになる場所です。
ホームルームや、クラスで何か行う際は、こちらで行います。

■教室の配置とデザイン

中学校になると学年ごとにフロアーが違うというイメージがありますが、
こちらは、教科ごとの教室なので、このようなデザインに。

学年関係なく、人の交流や情報の交流が生まれるデザインになっていますね。

教科ごとに教室があるので、教室のプレートが「数学教室」

先生方が、教科ごとにディスプレイを考えたり空間づくりをすることができます。

■教科センター

教科センターには、教科ごとに様々なディスプレイがされていました。

各教科ごとに設置されている教科センター

各教科の先生方のホームベースだそうです。

ホワイトボードも設置されていて、自由に書けるスペースが!

英語のエリアには、英語の本や漫画がディスプレイがされていました。

各教科、それぞれに関心を高めたり深めたりできる工夫がされていました!
先生方の創意工夫が見えて、わくわくしました!!

■主体性を引き出す授業

数学の授業を見学させていただきました。
課題のレベルをいくつか用意し、生徒が自分で選べるように設定されていました。

自分で課題のシートを選び、自分で取り組んでいました。
時には、友達を教えあいながら^^

問題を解き終わったら、先生のところでチェックしてもらっています。

生徒たちの列^^

・個別最適化の学び
・学びあい
・アクティブラーニング

と、すべてが取り入れられている授業でした。
生徒たちも、集中しつつもリラックスして取り組んでいる姿が印象的でした。

自由に見えるけれど、きちんと秩序が保たれている。
オランダの学校で感じたものは、こちらでも実践されていました!!

■様々な教室と授業

社会の授業中♪

英語との授業中♪

日本語教室もありました。

教室の扉のディスプレイも素敵^^
教室という枠にとらわれず、空間をデザインできるのは、
本当に教科センター方式の強みだなぁと感じました。

感想

生徒たちは、教室にちゃんと来るのだろうか?
そんな疑問を先生にぶつけてみました。

「ちゃんと来ますよ。もし来ない生徒がいた場合は、校内を巡回している先生がいるので声をかけてサポートします」

とのことでした!

生徒と対話する時間を持つことを大切にしているということが、
何度もお話の中から出てきましたし、
視察中、生徒と対話する先生方の姿を何度も見ることができました。

あと、泉南中学校は、校則がありません。
校則やルールで、一方的に生徒をコントロールしていないのです。
これは、学校も、先生方にも、そして生徒たちにも挑戦なのだと思います。

自由には責任が伴うし、その責任を自覚し育てていくことは、
紆余曲折いろんなことが起こるだろうから。

それでも、生徒たちと対話し、学校を創っていくという学校の方針と姿勢と取り組みには、
とても感動しました。

実際、出会った生徒たちは、
とっても明るくて、授業中の雰囲気もとてもよかったです。

授業に参加したくない生徒には、
先生が寄り添って対話している様子も見かけました。

見かけだけで判断されず、
受け止めてもらえるということは、とても嬉しいことですよね。

学校の中で、恫喝や強く大きな言葉での指示命令を聴くことはありませんでした。
(ちなみに、オランダの学校でもありません。)

こんな素敵な学校づくりに、リーダーシップを発揮されているのは校長先生です。

視察を終えて、最後に校長室でお話を伺うことができました。
校長先生の学校、教育、生徒への情熱やビジョン。
これらがなければ、このような改革はなかったと思います。

素敵なご縁と時間に心から感謝します。

オランダの教育の話をしていると、
オランダが素晴らしくて、日本はダメだ!という空気になりがちなんですが。

違うんです。

日本の学校も、日本の先生も、日本の教育も、素晴らしいところがたくさんあるんです。
それらを、先生方が今日も創り続けてくださっている。

日本の素晴らしい学校にも、先生方にも、たくさん出会ってほしいなと心から思います。

そして、日本の中で教育現場を改革しようと、
挑戦している学校や先生方をぜひ応援していきましょう。

挑戦には、必ず失敗や不安定な時期があります。
新しいことをすること、文化や習慣を変えることは、
必ずいろんなことが起こります。

その起こる1つ1つに過度に反応するのではなく、
信頼と応援でサポートする空気が当たり前になっていけばいいなと思います。

実践と省察の繰り返しの先に、
目指しているものが創られていくのだから。